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スパイラーご計画資料
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.項 目
1、螺と旋
2、螺旋の応用
3、螺旋の製品化
4、螺旋の余話
1、螺と旋
「螺」という字は、音読みで”ラ”と読み、訓読みで”ニシ”と読みますが、これが何を意味するかイメージできる人は少ないかもしれない。しかし、法螺貝(ホラガイ)とか、田螺(タニシ)と書くと,に関係した言葉であることがわかる。この「螺」という語は巻貝の総称なのだ。田螺は田舎の田んぼに行けば多くみかけることができるし、かっては、身近な食材であった。海の法螺貝は戦国時代には陣ふれラッパとしてよく使われた。「旋(セン)」”まわる”、”めぐる”の意味で、「螺旋」となると、工学的な形状、構造の意味を持つ。ここでは「螺」「旋」が歴史の中で、どのように結ばれてきたか、述べます。

田螺(タニシ)

法螺貝(ホラガイ)
2、螺旋の応用
我国では、奈良時代、平安時代に、巻貝にみられるユニークな紋様を、装飾品の一部に利用することを思いついたが、この形状に工学的な意味は見出せなかった。ヨーロッパでは、紀元前300年頃、・・・右手で貝を持ち回転すると,貝背に置いた左手は左右に移動することに気付いている。(木に巻きついた蔓草の方が先という説もあります。)・・・・即ち、螺旋の持つ工学的意味に気付いているのだ。

貝模様をつけた装飾品

回転運動を左右運動に変換
かの有名なギリシアの天才数学者、アルキメデス(Archimedes 前287〜前212頃)はこの螺旋を工学的に利用することに成功している。即ち、この回転運動を水平移動運動に変える原理を利用して、螺旋揚水機(螺旋ポンプ、スクリュ-ポンプ、アルキメデスポンプなどと呼ばれています。)発明し、地中海諸国で利用されたようだ。紀元79年、イタリア南部の都市ナポリの北にあるベスヴィオ火山の突然大噴火により、一瞬のうちに埋没した古代都市ポンペイの遺跡から、このポンプが発掘されたのは有名な話である。さらにアルキメデスの時代には青銅工具も作られ、ネジ状の止め金具や ネジを利用したオリーブ、ぶどうの絞り機も開発された。

公開されている
アルキメデスの肖像画

アルキメデスの
ポンプ図

アルキメデスの
ポンプ図
日本で、この螺旋の工学的利用が行われるのは、ヨーロッパに遅れること約1500年、14世紀になってからである。ネジが初めて日本に持ち込まれたのは、1543年ごろポルトガル人が種子島に漂着し、この時入手した火縄銃の銃底に付いていたののが最初といわれる。その後、江戸時代になると、限られた西洋との交流の中で螺旋揚水機が持ち込まれた。各地の金銀鉱山の狭いトンネルからの揚水排水に使用され、とくに佐渡金山では ”龍尾車”などと呼ばれた螺旋揚水機が使用された絵が残されている。

伝来した火縄銃
(千葉博物館蔵)

銃底

”龍尾車”
(佐渡金山金堀之図(内閣文庫蔵)

揚水機イメージ図
3、螺旋の製品化
さて、この螺旋技術の発展を特許関連の歴史からみていくと、1443年にイタリアのベネチア共和国では発明に対して発明権、いわゆる特許を与える制度が出来ている。1474年には世界最古の成文化された特許法が公布された。(日本では明治18年(1885年)に専売特許条例ができ、明治38年(1905年)には特許制度を補完する実用新案法が制定された。)このように1400年代の後半になり、発明が特許で保護されるようになると、発明に対する気運も更に高まっていった。1480年フィレンツェ共和国にいたイタリアールネッサンス時代の天才;レオナルド・ダ・ビンチ(1453年〜1519年)はアルキメデスの揚水ポンプの仕組みをスケッチ図に残している。

レオナルド・ダ・ビンチ
(レオナルド博物館文庫より)

レオナルドのスケッチ図
(レオナルド博物館文庫より)

揚水機イメージ図
(レオナルド博物館文庫より)
さらに彼は数々の発明を試み、多くのスケッチ図を残している。その中で、螺旋の原理を応用して空中浮遊を考えた”布製空気ネジ”は特に興味深く、これはヘリコプターの原型になったと言われる。更に彼はネジきり旋盤のスケッチ図も残している。

布製空気ネジ
(レオナルド博物館文庫より)

ネジきり旋盤の
スケッチ図
(レオナルド博物館文庫より)

ネジきり旋盤の模型
(レオナルド博物館文庫より)
又、イタリアの天文学者;ガリレオ・ガリレイ(1564年〜1642年)は1594年に螺旋ポンプの特許をベネチア共和国に申請、取得した。

公開されてるガリレオ・ガリレイの肖像画

馬力駆動による
螺旋ポンプ

多段式ポンプ
イメージ図

風車駆動による
螺旋ポンプの切手
そして、この技術を応用した大型螺旋ポンプオランダで多く採用されて、土地維持のための排水活動に利用された。風車駆動式電動駆動式がある。さて、日本では、20世紀の産業発展時には、この螺旋やネジ技術を使った製品が多く製造され、その命名の過程で、スクリュー(Screw)やスパイラル(Spiral)の英語表現が使用され、その定義はあいまいとなった。当社の製品は螺旋式搬送機(通称スクリューコンベア)の螺旋部であり、商品名をスパイラーと呼んでいる。

オランダで稼動する電力駆動による
螺旋ポンプ

(株)京スパの製造するスパイラー

4、螺旋の余話
余話その1
”螺旋の名城”:シャンポール城!!
フランスのロワール川流域には多くの古城があるが、その中でもシャンボール城はその規模、優雅さで他を圧倒します。16世紀の初め、当時のフランス国王フランソワ1世は自分の権勢を表示する城館を造りたいと並々ならぬ”こだわり”と”情熱”を注いで築城致しました。
その築城の基本構想は、イタリア遠征で出会った天才芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチをフランスに誘致し、毎夜の打ち合わせにより、彼の発想を大いに取り入れることでした。
特に、こだわったのは、巨大な中央塔に二重の螺旋(らせん)階段を設置することでした。上がる人と下りる人が出会うことなく動けること、王が王妃や侍従を連れて、一階の大宴会場に降りる時、その動きは立体的となり、治世永続を思わせるパフォーマンスを醸し出せました。この二重の螺旋階段こそが、シャンポール城の命であったのです。
...
(写真はNHK放送より)
余話その2
”ガラス棒で、貝の巻き方左右自由自在!!
東京大学総合文化研究科のグループは、右巻き、左巻きの両方が生息する”ヨーロッパモノアラ貝”(右写真)において、受精卵の細胞配置をガラス棒を使って物理的に変えることにより、右巻き、左巻きを自由自在に変える事に成功したと報告しました。(09,09,25英科学誌ネイチャーに掲載)
これは脊椎動物の右利き、左利きを決定する、遺伝子の役割解明に、一石を投じる研究と評価されました。
(写真は朝日新聞より)
余話その3
”ピラミッドは螺旋で造られた!!
NHKスペシャル「ピラミッド隠された回廊の謎」は大変興味深いものでした。エジプト、ギザで、紀元前2550年ごろに建造されたと言われるクフ王の大ピラミッドでは、2.5トンの石が300万個も積み重ねられている。この巨石の運搬法に関して、従来より、「直線傾斜路説」や「外面らせん傾斜路説」があったが、物理的な面や、労働条件を考えると無理があった。フランス人建築家ジャン・ピエール・ウーダン氏は「らせん傾斜路説」に関して、現地検証の結果、「内部螺旋回廊説」を発表した。この説を用いると、運搬労働は、天候気候に左右されず、労働者も1500人程度で、内部は鏡の反射で明かりをとり、作業は効率的であったと推論された。またこの説の中では、てこの原理、滑車の原理、強力なロープ使用等があったと仮説され、これらの技術が当時可能だったかについてさらなる検証を行い、この説の強化が行われるとのこと。
(写真はNHKスペシャルより)
余話その4
”左巻き”カタツムリ
葉陰にたたずむカタツムリはほとんどが”右巻き”スパイラル(写真左側)。しかし、”左巻き”(写真右側)もいるようで、突然変異種。信州大では、この”左巻き”種が集められて人口飼育されているようです。
余話その5
バビロンの空中庭園
世界7大不思議の一つと言われる、古代バビロン(現在のイラク、バグダッド近く)に造られた階段テラス状の「バビロンの空中庭園」は、当時の王が妃のために造ったものとされている。しかし、その存在を証明するものはギリシャの文人が残した書物のみであり、バビロンの遺跡から見つかった資料にも、庭園の存在をほのめかすものはなかった。はたしてこの庭園は、実在したのだろうか? そして、空中庭園は石の柱で支えられ、大地から浮き立つかのように建っていたといわれるが、そのテラスに咲く美しい花々に、どうやってユーフラテス川から水を汲み上げていたのかが最大の謎であった。
この水汲み技術を解明するべく、各方面の学者によるチームが編成された。彼らはヨルダンの丘に空中庭園の模型をつくり、メソポタミアの遺跡から発掘されたレリーフや楔形文字が刻まれた粘土板の記述をヒントに、その時代に可能だった様々な水汲み技術の妥当性を検証をはじめている。この技術の解明こそが庭園の実在を証明する鍵であるからだ。その中でもアルキメデスが考案したといわれるスパイラル式ポンプが既に使用されていたのではないかと各種のタイプをつくり実験している。(BBCの地球伝説より)
余話その6
”螺旋で砕氷船
2006,11.01
北海道は紋別市の観光ガイドによると、春先の流氷ウオッチには、砕氷船(ガリンコ号)が活躍。人気上々とのこと。この砕氷船の砕氷と推進はアルキメデススクリューでおこなわれるとのこと。(写真は案内書より)
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余話その7
”羽根なし風車 (朝日新聞)
2007,06.17
「秋田で造ったマグナス風車を世界に広めたい」。fusya2 製造元”メカロ秋田”社では、2年間の野外テストを終え、この秋国内に一号機を建てるとのこと。スクリュー部にスパイラーも検討された。
新聞ニュースによりますと、”スクリュー羽根のない風車”が考案され試運転中(メカロ秋田社)とのこと。羽根の代わりにスクリュー(又はスパイラル)を巻きつけた”棒”が5本取り付けられている。この5本の棒を個々にモータで回転すると全体が風車のように回転する。いわゆるマグナス効果を利用したもので、”スクリュ-マグナス風車”と呼ばれている。発電効率はプロペラ型の2.5倍ほど期待されるとのこと。この風車の特色はプロペラに比べて
*”棒”は構造的に強い。*プロペラ機では停止しなければならないような強風でも、棒の回転を抑え発電できる。*棒の回転を止めると停止する。
運転中の新型風車
(2006,06.18)

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余話その8
螺旋の彫刻"展
2007,04.09
モチーフ ”螺旋”を得意とする彫刻家 ”植松圭ニ”の個展が大阪 (深江橋の近くのギャラリー)で開かれたので訪問した。題名は”螺旋の気配から”。・・・万物は螺旋より始まる・・・が創作の背景にあるらしい。大宇宙の銀河系は螺旋状に渦を巻き、生物の究極物質、遺伝子構造も螺旋形だ。訪問したギャラリーは美術品展示館というよりも倉庫の中。その中に右写真(朝日新聞より)のような巨大な螺旋とその中心に浮かぶ紡錘体が展示されていたが、倉庫の中ゆえに、原始宇宙の飛行物体を見る思いだった。
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余話その9
”大工道具;スパイラルの歴史
2007,10.27
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大工道具の歴史の中で、スパイラル又はスクリューはどのように応用されてきたか。
神戸にある竹中大工道具館を訪問して、錐、ドリル系の道具を観覧した。江戸幕府の末期にボルト錐、クリコ錐がヨーロッパより伝来したとのこと。
(写真は竹中大工道具館資料より)
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